雙日、九州大學発のスタートアップ企業、KAICO株式會社に出資參畫
~ ?カイコ”で開発した動物用ワクチンを活用し、畜肉の安定供給を目指す ~
2021年12月15日
雙日株式會社
雙日株式會社(以下、「雙日」)は、このたび、九州大學発のスタートアップ企業で、昆蟲のカイコを利用して発現した組み換えタンパク質から醫薬品製剤開発?製造支援事業を展開し、ヒトおよび動物用ワクチンの原料となる難発現タンパク質の受託発現(※1)?開発?生産をおこなうKAICO株式會社(以下「KAICO」)による第三者割當増資の引き受けを決定しました(以下「本案件」)。
雙日は、発想の力でビジネスを実現していく「発想×雙日 Hassojitz(ハッソウジツ)」プロジェクトを2019年度から推進するなど、新規ビジネスの創出に積極的に取り組んでいます。本案件は、生活産業?アグリビジネス本部の若手社員による「食のイノベーション?タスクフォース」で生まれたアイデアが実現されたものです。
KAICOは、カイコに特化したCDMO(※2)として、製薬會社のパートナーという立場で様々なタンパク質を受託発現させるとともに、適性のあるタンパク質を活用して試薬?診斷薬?ワクチンを開発しています。その過程で開発著手金や一定の成果に対する報酬を得ながら、製品が上市された後は原料としてタンパク質の供給を継続することで収益を得るビジネスモデルの構築を目指しています。

KAICOは、九州大學が遺伝學研究のために100年以上にわたり継代飼育し系統保存をおこなってきた約450種の近交系カイコを活用し、遺伝子ゲノムノウハウを用いて、天然に近い、安全で高品質な醫薬品原料タンパク質を生産しています。KAICOが活用するカイコは、一般的なカイコと比較して3~10倍の高発現率?高生産率で目的タンパク質(※3)を発現?生産できるため、カイコ1匹で豚500頭分に相當する動物用ワクチンの原料生産が可能です。加えて今年4月には、経口摂取しても効果のある動物向けワクチンの原料候補となるタンパク質を発見し、研究開発を加速させています。また、少量多品種開発を同時並行でおこなうことが可能なため、最短2か月で目的タンパク質の生産が可能です。この優位性を発揮して、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(※4)の開発に成功し、今年9月にはワクチン接種後のヒト向け抗體測定キットを製品化?販売しています(※5)。
雙日は食料分野において、成長するアジアを最大の注力市場としメガトレンドをつかみ、畜肉の安定供給による収益力の強化?拡大に取り組んでいますが、新興國の畜産?水産の生産現場では近年、疾病の発生による経済損失の増加や第一次産業への就労人口の減少などが喫緊の課題となっており、生産効率の向上に資する技術イノベーションの導入が求められています。
KAICOの高い技術力と雙日グループが有する機能?ネットワークをかけ合わせ、KAICOのサービス?機能の拡充と國內外におけるビジネス展開をサポートし、新興國の畜産?水産業向けに安価で効果の高い動物用ワクチンを提供することで、アジアにおける第一次産業の持続的発展に貢獻します。
(※1) 受託発現:主に醫薬品メーカーなどの研究開発部門からの受託で、診斷薬などの原料となる目的タンパク質を、カイコを用いた獨自技術で発現させるサービス。
(※2) CDMO:Contract Development and Manufacturing Organizationの略。醫薬品受託開発製造企業。
(※3) 目的タンパク質:醫薬品?製薬メーカーなどの研究開発部門から依頼を受けて受託発現させる、診斷薬などの原料となるタンパク質のこと。
(※4) スパイクタンパク質:新型コロナウイルスの表面にある突起狀の構造を持つタンパク質で、ヒトの細胞に侵入するときに使われる。
(※5) ワクチン接種後のヒト向け抗體測定キット:詳細は?KAICOのリリース?をご參照下さい。
KAICOの概要
會社名 | KAICO株式會社 |
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設立時期 | 2018年4月2日 |
本社所在地 | 福岡県福岡市西區九大新町4-1 福岡市産學連攜交流センター217 |
事業內容 | (1)タンパク質の受託発現 (2)試薬?診斷薬?醫學品原料の製造?販売 |
コア技術に 関する補足 |
詳細は?KAICO のWebサイト?をご參照ください。 |
【本件に関する問い合わせ】
雙日株式會社 広報部 03-6871-3404